説明文が長々となるので、細かいことは大分省略しています。しかしながら、少し気になった事を追記します。限られた村でしか存在しなかった鳥ですので、「雑種」でない以上、全て親族で、完全な異血と言うものは存在しません。違う場所で類代を重ね、長い間血縁が離れていると異血と言えるかもしれませんが。人間の様に何親等以上離れれば…は有ると思います。他の品種とは異なり、線維メラニン症の色の固定は大変困難です。線維メラニン症の極端な色素沈着は、単一の遺伝子の存在ではなく、遺伝子の重複によって制御されています。高品質の個体を作るのには、まずフィブロメラノーシスの発現とこの原理を理解する必要があります。基本レベルでは、すべての個体にFm（突然変異遺伝子）のコピーが2つあるはずですが1つしかない場合があります。（すべて黒に見えても）遺伝子のコピーが2つ未満の鳥を繁殖させると、一貫性のない結果と劣った個体になります。2つのFm（Fm2）と1つのFm（Fm1）を繁殖させると、子孫は「黒く見える」ようになりますが、その品種に適切な遺伝（Fmの2つのコピー）を持っているのはそのうちの半分だけです。残りの半分は遺伝子のコピーを1つだけ持っていますが、良質のアヤム・セマニでは有りません。Fm1とFm1を繁殖させると25％のみがFmのダブルコピーキャリアになり、50％はシングルコピーとなり、残りの25％の品質（黒）は低下します。Fm2が確定した地点で、スタイル等の重視に向かいます。現在は、まだまだ前途多難で、今からのスタートです。異常遺伝子による黒化ですので、正常な遺伝子に戻ろうとする生命の神秘なのか、先祖返りで羽先が少し茶色い個体（大きくなると消えますが、雄は首周りに再発することが有ります）や、指曲がり等は出ます。それは交雑種でない証であり、卵の状態である以上当然起こりうる結果です。問題が出た個体はブリードから外しておりますが、一般の鶏の品種の感覚とは、生体としての捉え方が全く違います。卵の状態と言う事もあり、そう言ったクレームは一切受け付けません。無精卵の認識も、血が滲めば有精卵、そこから先は購入者のミス、もしくは発送によるストレスで有精卵といえど発生しなかった。です。納得頂けない方は入札をご遠慮頂くか、ご自分で直接雛を見てのご購入をお勧め致します。私一人では、キングブラックの出現は気の遠い話です。私も手探りですが、楽しみながら精進したいと思っております。私自身も諸先輩方に教えて頂きたいことは沢山ありますので、何か間違いがございましたら、ご教授ください。