横溝正史・蘭郁二郎ほか/戦前の稀少な探偵小説・捕物小説アンソロジー『スパイ捕物帖』(今日の問題社)

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今日の問題社。1942年刊、初版。おもて表紙の端および角に少ヨレ・裂け、裏表紙の角に欠損、背表紙の端に少裂け・欠損。経年のシミ・汚れあり。奥付手前の余白頁に墨での書きこみ(購入記録?)。33〜34頁上部に裂け(余白部分)。角ヨレ・角折れ頁あり。装幀:濱崎好信 【収録作一覧】 「夜霧の捕物陣」(野村胡堂) 京都町奉行配下の与力の栗山亮太郎は、討幕最初の狼煙をあげた、竹内式部の一味を一網打尽にするが、縄付の志士を番所へ引っ立てていく途中で、覆面の武士やら美しい武家の内儀風が出現、番所へ着いてみると、勤王諸侯蹶起をうながす、証拠の密書が消え失せていた。くだんの密書の行方を追う亮太郎を阻止すべく、相手方も罠を仕掛けてくる。その顛末はかなり意外なもので、あまりに対照的なふたりの武士のありようが胸を打つ 「上海」(木村荘十) 防諜探偵小説。ある使命を帯びて南支の奥へ潜入していた松浦が、久しぶりに日本軍が占領している上海へと戻ってくる。そこは秘密結社と陰謀団の巣で、便衣隊が暗躍し、現役の将校が狙撃されるという事件が起きていた。新政府の懸命の捜査にもかかわらず、彼らの本拠の所在はいっこうにわからなかった。松浦は銀行街の裏にあるナイト倶楽部で昔なじみの女と再会するが、彼女の兄はブラックリストに記載されている人物で、彼女も監視対象になっていた。松浦は彼女を連れ出し、とある場所へと向かうが、そこには死の罠がはりめぐらされていた…… 「維新夜話」(山手樹一郎) 因州藩の篠準一郎は、板橋の安宿の庭で、離れで起きていることを偶然、耳にしてしまう。それは、百姓娘のなりをしている武家娘を、目明しとその子分になりすました男たちが縛りあげているというもので、官軍の密偵の準一郎には、娘を救出している余裕はなかったが、捨てても置けなかった。ふたりして宿を脱出した準一郎は、娘を連れて江戸に向かうが、そこで自身を巻きこんだ銃撃騒ぎが起きる 「怪兵器の自爆」(蘭郁二郎) 絶対秘密にしていた新兵器を見にきてほしいという手紙を学友の妹から受け取った、新聞記者の小田は、その学友の叔父である電気学者の鈴川博士の研究所へと向かう。それは一口でいえば空中魚雷で、思うままのところに行かせることができるという物だった。その実験があと一歩というところで失敗に終わったあと、新聞社に戻った小田は、X国がそれと同種の新兵器を開発したという記事を目にする。単なる偶然なのか、それとも……?という、なかなかにトリッキーな物語 「埋蔵金お雪物語」(城昌幸) 若さま侍物。とある武家の家の姫君が拉致されるという事件が起き、若さま侍は、姫君お付きの腰元から、翌朝に音羽護国寺の門前まで来てほしいと頼まれる。そのことがきっかけで、若さまは埋蔵金のからんだ騒動に巻きこまれる。事件の全貌と首謀者の正体は、若さまの推理さえも上回る意外なもので、若さまは、山の絶壁から転落するという、危機的な状況に陥る 「孔雀荘事件」(甲賀三郎) 老練な刑事たちも思わず目をそむけるほどの無惨な老人の屍体は、眠っているところを力まかせにたたきつけられたと見え、高級アパートの自室で血の海のなかに横たわっていた。二、三日前に、老人の甥が訪ねてきて、被害者とはげしい口論をしているのを、聞かれていた。凶器とおぼしき薪割用の斧がアパートの裏で見つかり、新米刑事の塚越が小田切というアパートの住人の部屋を調べてみると、机の上に書きかけの探偵小説の原稿が置いてあり、その内容は事件と妙に似通っていた。老人を殺したのは甥だと結論づける係長に対し、塚越は合点がいかず、近所でアパートを見張っていることにする。常日頃から探偵読本を愛読している新米刑事が、その探偵読本に書かれているアトバイスにしたがって行動し、それが事件解決へと結びついていく展開が面白い 「いろは政談」(横溝正史) 居眠り同心、鷺坂鷺十郎の手柄話。鷺十郎のところに奇妙な手紙が舞いこむのが、事件の発端。表には「江戸一番捕物名人、鷺坂鷺十郎殿へ」とあり、裏を返すと、差出人の名前は〈いろは〉とあるだけだった。急いで封を切ってみると、なかから出てきたのは、「い」から「と」まで七枚の、いろは歌留多であった。いろは歌留多は、江戸の鼻つまみ者になっている、いろは七人組なる侍たちにも送られており、芝居小屋でそのうちのふたりが殺害されたのを皮切りに、次々と消されていく。いろは歌留多の目的、いろは七人組の連中が疑心暗鬼になっていく展開など、練りあげられたプロットは、さすが横溝 「混血の娘」(大下宇陀児) 陽吉の伯母の娘にあたるルヰ子が陽吉夫妻の子どもともどもいなくなってから、一週間が経過していた。ルヰ子の父親はロシア人で、すでに両親とも幼い頃に他界していた。孤児となったルヰ子は陽吉の家にひきとられて育つが、陽吉が結婚してからというもの、陽吉の妻とはどうも折り合いがよくなかった。そうこうするうちに、出入りの酒屋から、耳よりな情報がもたらされる。麹町のとある家に入っていくルヰ子の姿を、見かけたというのだ。そこは外人の住居で、応対に出た主人は、他人の空似だと主張する。〈間諜秘話〉なる角書きはあるものの、ルヰ子の失踪に関わった人間の意外な動機、ルヰ子の失踪後の奇妙な行動の理由をめぐる、探偵小説的な味わいもある *受領後はすみやかに「受け取り連絡」をお願いします

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