【製品について】 ドイツRFT社のオーバル・フルレンジL6506。東欧のフェライト時代のオーバル・フルレンジとしては、同じ東独のVEB (RFT)のL2259、旧チェコ・スロバキアのTESLAARE667(，668)と並んで、国内では、おそらく最も高く評価されているユニットです。Pairでの出品になります。 RFT社は、戦後、東側に残ったテレフンケンやシーメンスメーカーなどの音響機器メーカーのエンジニアたちを集め、１つの国営企業集合体として統合された会社です。これらの優秀な技術者たちのノウハウを生かして、虚飾の無い、優れたスピーカーが、数多く設計・制作されてきました。 出品のL6506は、こうした歴史の上に、主に業務用として開発され、スタジオモニターや劇場などのシアター用、さらには屋外ステージのPA用と大変幅広く使用されてきたユニットです。1960年代に製作されたRFTのユニット中でも、特に著名で、音質面でも高い評価を受けてきたユニットです。(システムとしても、このユニットをダブルで使用した、Innenraum Schallstrahler、愛称：Radio Berlinが特に有名です。)いかにも業務用らしいスチール・プレスの無塗装フレームという、素っ気ない外観からは想像できないような、高いクオリティーをもつユニットです。大きさは、およそ25cm×16cmになります。 このL6506の音質については、Webページ等でも広く紹介されておりますので、詳細は避けますが、基本的に端正で品位の高い音質のユニットです。派手さはないが、じわじわとその良さが伝わってくる。そうした、じっくり付き合えるユニットだと感じています。特に、その帯域バランスの良さと反応速度の速さには、特筆すべきものがあります。同じ東独のL2259と比較すると、音そのものの繊細さやレンジの広さでは及びませんが、シングル・コーン・フルレンジらしい定位や帯域バランスの良さ、とりわけ、音の張り出しの強さ、演奏のスケール感といった面ではL6506が上回っているように感じています。 使い方としては、後面開放でゆったりと響きを愉しむのも良いでしょうし、密閉箱に納めてHiFiユニットならではのスピード感やスケールの大きさを愉しむのも良いと思います。(オリジナル・システムでの使われ方をみると、比較的小型の密閉箱で良いように思われます。) 能率もかなり高いので、小・中出力の真空管アンプに適したユニットだと感じていますが、1960年代に製作されたユニットということからもうかがえるように、トランジスタ・アンプでも十分魅力的な再生音楽を聴かせてくれるユニットです。 取り付け用のネジ穴位置は、およそ20cm×12.5cmの長方形の頂角になります。 【商品の状態について】 〇画像からもわかりますように、コーン紙やエッジ、センター・キャップなど、とくにこれといった傷みもなく、ビンテージ・ユニットとしては、まずまず良好な状態だと思います。 〇ラベルの形式は揃っていますので、同時代のユニットだと思います。ただ、SPケーブル取り付け端子の形状が異なっていますので、同一ロットの品ではないと思います。(特性的にはよく揃っていますので、ステレオ・ペアとして全く問題ありません。) ○DCRは揃っており(公称インピーダンス6Ω。基本的には4Ωの扱いですが、8Ωでもよいと思います。)、音圧差も通常の使用で問題のない範囲に収まっています。 【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口になります。送料着払いでお願いします。(即決価格で落札いただいた場合、送料は当方で負担させていただきます。) ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。