（2022年 12月 17日 19時 00分 追加）波MUZAL0149ステファンスカ(pf)の演奏で、ショパン：ポロネーズ第49番、ノクターン第5番、シューマン：アラベスク。10インチ・フラット・オリジナル。古いMUZAにあるステファンスカのショパン録音は本当に素晴らしい。曲の形から自然に生まれるリズムは、他国のショパン演奏では決して得られないものですね。曲の構造自体から、深層からやってくる鼓動のようなリズムはショパンの心臓です。第4回ショパンコンクールの優勝者であり、かつマズルカ賞の受賞者というのは伊達ではないのです。さてこのレコード、やはりポロネーズが凄まじい。第4番が始まるとすぐに詩的な気配がやってくる。音の置き方が素晴らしく、余白すらがリズムを刻むようです。内声部で音が舞い上がるようなところでは心浮き立つようでした。背筋をぞくぞくさせるような音の降下、しっかりと耳と心に届く動機。数瞬前に聴いたフレーズが忘れ形見のように現れては胸を突き刺してくる。感動しました。ドスを効かせて勢いで突っ走る演奏とはまるで異なる、真のポロネーズなのです。第9番も凄い。真珠のように美しい音が走っていくなかで、さっと青褪める。音色の変化だけでなく、微かなリズムの変化を加えています。音という音が詩的な雨のようであり、華麗なパッセージでもリズムの正確さが違う。まるで曲の鼓動を伝えてくれているようです。裏面のノクターンも甘さではなく静けさで表現するのがいいですね。音を重ねるごとに色が落ちてゆく。その過程の美しさ。最後のシューマンは暗い闇をやわらかな指が舞う。彼女は決して弾き流すことなく、細く微かな音で、まるでショパンのように不安を宿し、ためらいながらシューマンを奏でています。ひっそりと輝く宝石のような美しさでした。ピアノを愛する方にお聴き頂きたい一枚です。大推薦。盤質：盤面溝とも良い状態。ほとんど美品。ジャケ：ほとんど美品。【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。美品(Ｍ)：新品並みの状態。ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。