シリーズ８はもともとは15と同じような通常フレームで発売されていました。1939年に第二次世界大戦が始まり、参戦したイギリスも戦時下での物資の統制が始まります。アラジンも鉄を節約するために上部フレームの横バーを１本減らし、下部フレームの横バーを1/2の薄さにして15%の鉄が削減できました。そうしたことによって低下した強度を保つため、上部フレームはこの特徴的な「ひねり」を入れたフレームになり下部の横バーは幅広くなりました。シリーズ８の戦時中モデルは1940年から1944年の間に生産されましたが、アラジン社は軍より兵士用の小型の携帯コンロの大量生産を委託され、ブルーフレームの生産量は戦前に比べてかなり少なくなりました。またドイツ空軍の空襲に備えてスクランブル待機するパイロットが暖を取るためRAF（イギリス空軍）がかなりの数量を徴用しましたので民間への供給が少なく現在の残存数がとても少ないモデルです。昇降ハンドルのノブには３種類のパテントナンバーが記載されています。また回す方向への矢印と共にup、down と刻印されています。 戦後の８や15に比べ大変凝ったノブの刻印が戦前モデルの特徴です。かなりの熱意を持って時間をかけ自分用として真剣にレストアしたものですので、普通に使用出来ますし、綺麗になっていると思いますが、あくまで82年前のストーブです。最新の新品のようなものではありませんので少しでも気になる方は入札をお控え下さい。個人の趣味としてアラジンの収集やレストアを行っています。ただどうしても年々増え続けていきます、本当は手元に置いておきたいものばかりなのですが苦渋の選択で出品しています。落札後はノークレーム、ノーリターンでお願いいたします。（2022年 11月 12日 21時 50分 追加）追記です。■RAFモデルと通常モデル■右側が今回レストアしたイギリス空軍仕様、左側が通常モデルです。左の1943年モデルは未再生の原型ですが、分解も掃除もしていませんのでちょっと黒く薄汚れています。色の差は肉眼で見ると画像のようにくっきり左右に濃淡の違いがあるわけではなく僅かにイギリス空軍仕様の方がブルー味が強い程度です。上下が同じ色ですので空軍仕様らしくちょっと精悍に見えますね。着火した画像も合わせて追加しました。予備の芯がなく適当な古い芯で着火しています。灯油の匂いがキツく輸送していただけない可能性もあり廃棄しますので申し訳ありませんが芯は落札者の方がご準備下さい。シリーズ15用の芯です。