鑑定書付 永正備前【備州長船長光】出来圧巻の奉納刀映り立つ精錬地鉄に福岡一文字を超える華麗丁子乱れ刃 飛焼見事生ぶ茎 鞘書入時代白鞘 幻の名工『六代長光』 超貴重資料■コメント■ご覧いただきありがとうございます。【銘】『備州長船長光』長光は長船派の祖・光忠の子で長船二代目を継承し父に並ぶ名手と誉れ高い、鎌倉期を代表する巨匠です。位列に於いても堂々の古刀最上作かつ大業物に列位し、子の景光をはじめ真長・近景・長元など多くの弟子を持ち日本刀の頂点とも評される華麗な備前伝を後世に伝えました。国宝指定の名物『大般若長光』や『津田遠江長光』をはじめ数々の作が国宝・重要文化財・重要美術品の指定を受けており、「鎌倉期で最も多くの名品を遺した刀工」として語り継がれます。長光の名跡は正応頃を初代として建武頃の二代、正平頃の三代、応永頃の四代、文明頃の五代、永正頃の六代と室町期に及んでおり三代目以降は銘を「備州長船長光」と切ることが判明しているものの後代の作は殆ど現存せず、史上でも極めて稀な存在となっています。中でも一族の掉尾を飾った六代長光は特に高い技量を有し、刀剣書『日本刀全集』の評価でも応永頃の四代長光を上回り同時代の長船では彦兵衛尉則光を超え与三左衛門尉祐定に迫る上々の格付がなされ、末備前屈指の名工であったことが窺えます。本作は海外のコレクターにより長らく愛蔵された一振で令和3年末の東京都登録となった初めて世に出る里帰り品、貴重な六代長光の在銘作にして鑑定書付の出来見事な奉納刀です。倉敷刀剣美術館の鑑定書は確かな審査と詳細な所見で人気が高く、中でも備前刀の鑑定に於ける信頼性は日刀保以上と評されています。身幅・重ねとも健全かつ反り姿美しい中鋒・鎬造の脇差で室町時代に太刀の差添として流行した典型的な造込みを見せ、生ぶ茎の真面目な刻銘と古い目釘孔も確かな時代を湛えています。強く錬れてよく詰んだ小板目に杢を交えて精良に肌立つ地鉄に地沸微塵について細かな地景入り刃文に沿って淡く乱れ映り立ち、刃文は腰高な丁子に大房丁子・蛙子丁子など交じって華やかに乱れ足・葉が盛んに入って刃縁匂がちに沸づき繊細な沸筋や砂流し働いて随所に飛焼かかり帽子尖って返り地刃ともに明るく冴えわたるなど、福岡一文字をも凌ぐ絢爛華麗な作域を示した珠玉の名刀です。『奉納』の文字と奉納者名の鞘書がほどこされた時代白鞘も長年にわたり大切にされてきた本作の特別な伝来を物語っています。永正備前に於ける幻の名工『六代長光』による在銘正真作、福岡一文字を凌駕する極上出来の奉納脇差を末永くご愛蔵下さい。ご不明な点などございましたらお気軽にご質問下さい。